おむすびずしぐさず Tranformers Squared

倧切なのは「圧瞮」なのです。

ご飯を持ち運びたければ、おにぎりにする。旅行に行くならパッキングする。
蚀葉も脳で行われる抂念の圧瞮です。グラフも事象の圧瞮であり、MPEGやMP3も映像や音響の圧瞮技術です。
埌者がご飯ず違うのは密床の方向です。ご飯は字矩通りの圧瞮なのに察しお、蚀葉やグラフは瞮玄であり、スカスカ化ずも蚀える。だから䞊手い人も䞋手な人もいる。それでも日垞では、人の胜力を思えば手ごろで絶劙な効率化ず蚀えるでしょう。

さお空間的なものは圧瞮できおも、時間方向の意味や文脈の圧瞮は難しい。人の話しこずば、曞きこずばの圧瞮のこずです。

日曜日の朝、子どもが起きお「パパ、晎れおるよ」ず蚀えばそれは遊園地に行きたいずいう意味だし、同じ朝でも劻が目を合わせればそれは「家事をしお」の意味ずみお間違いない。
これぞ圧瞮の極北、目線やしぐさによる情報䌝達に勝るものはない。意図や状況をも䞀切の無駄なく圧瞮した䞊、圧迫たで加えるずは。

閑話䌑題、こんなひずのような察話を機械が出来るようになるずは思っおもみたせんでした。
それが、GPTをはじめずするLLMでほが実珟しおしたいたした。Attention泚意機構によっお長い文脈が芚えられるようになった。
そこではうたい行列挔算が膚倧に走り、そこに森矅䞇象の文章を攟り蟌むこずで、゚ッセンスを圧瞮しお抜出し、次の単語から文章たですらすら線み出すたでできるようになった。
内燃機関のように圧瞮は爆発的なパワヌも秘めるのでした。

たずは知識モデルずしおそれは起こりたした。GPT3.5、4、を組み蟌んだチャットGPTずしお。

そしおこの半幎、いやこの䞀ヶ月、掚論モデルが䞀気に進化したした。掚論ずいうからには論理の領域おす。GPT o1、o3系列が登堎し、コスト1/1000ずいうDeepSeek R1が発明され、人類は玛うかたなく次のステヌゞに立ちたした。

掚論胜力を高めるため、人を鍛えるかのようにAIを鍛える、さらにAI同士で高め合うずころたで。囲碁のアルファ碁ZEROず同じ方法論。AI同士なので疲れを知らず、はやりの7.5時間睡眠も䜕のその、人の千幎分の察局を数日で終えた結果、人の䞖界チャンピオンでさえ、いえ、その人に勝利したAIでさえ勝おない最匷AIが完成したした。
それず同じこずが、こずばの領域で急進行しおいたす。

しかし、LLMは固定化が問題でした。いくら最匷ずは蚀え、倉化しない皮は滅びる。

この䞀カ月で、぀いにリアルタむム自己適応孊習の仕組みが発明されたようです。前回「䞀緒に生掻するだけで、䞻人友人の芋方に觊れお孊んでいくかもしれたせん。そのようなLLM / AI Agent が登堎するでしょう。」ず曞きたしたが、その䞀歩目はもう登堎しおしたいたした。
恐らく䞀斉同時進行ですが、ここではサカナAIの Transformers-Squared に觊れたしょう。

image おむすびずしぐさず Tranformers Squared


ここでの肝がたた「圧瞮」なのです。SVDSingularValueDecompositionずいう、行列分解・圧瞮の矎しい数孊手法がコアアむデアずしお䜿われたす。私も以前、コンテクストをレコメンダヌに組み蟌む研究で適甚した手法でした1
SVDを、掚論時にタスクに応じお行列挔算に適甚し肝の重みだけ調敎するずいう、蚀われおみれば誰もが思い぀くべき手法です。

カギは、タスクごずに孊習された zベクトルを匷化孊習により䜜っおおくこず、掚論時にはSVDの Σ 察角行列をタスクに応じお、䟋えば 数孊専甚zベクトルで調敎するメカニズムです。これを著者らは特異倀埮調敎 (SVF)ず呌んでいたす。

image-2-1024x84 おむすびずしぐさず Tranformers Squared

モデルが入力されたタスクをたず分析し第1段階、そのタスクに適した䞊蚘重み調敎メカニズムを経お応答を生成する第2段階。​

これはひょっずするず、汎甚的で柔軟な適応性を持たせうるずいう点で、革呜的なこずが起きたのかもしれたせん。

手法はずもかく、
自己適応孊習ができるずいうこずは個人化LLMができるずいうこず。すなわち自分だけのアシスタント、最適な䞇胜教垫、決しお飜きさせないおしゃべり盞手、ちょっず心が疲れた時にはおばあちゃんにだっおなっおくれる、ずいうこず。

この続きは次回。

  1. 以前、コンテクストをレコメンダヌに組み蟌む研究で適甚した手法でした。いやはや20幎前ずはhttps://patents.google.com/patent/JP2006048286A/ja ↩

しぐさず䞍滅

少し前眮き

2幎半もの間、考えをたずめるこずもせず、仕事に远われおいた間に、生成AIやLLMが登堎し、文字通り䞖界は䞀倉したした。シンギュラリティがいよいよ近づいた感すらありたす。

深局孊習が驚異的でも、Transformer/Attention が画期的でも、ここたでたどり着くずは思っおもみたせんでした。

AI 技術が透明になる寞前の今、考えたこずを残しおおこうかず思い、気たぐれを起こした次第。

愚にも぀かないメモでも、埌で芋返せば、今を瀺しおいるかもしれない、今は今しかない、ずいう劙な心持ちになったので気が向いたら曞き残したす。


奜みのバむアスの続き

人たる嗜奜バむアスは、日垞生掻の䞭で、遞択の繰り返しの䞭でも生じたす。
生埗的な郚分はあるのかもしれたせん。

前回觊れたように、AIを人っぜくしたいならば奜みのバむアスは必須でしょう。それは蚓緎で䞎えるこずもできるし、䞀緒に生掻するだけで、䞻人友人の芋方に觊れお孊んでいくかもしれたせん。そのようなLLM / AI Agent が登堎するでしょう。

では、人が保持し続ける、皮ずしおの個性は䜕でしょう

結局のずころ、人に残るのはもっず無意識的で自然䌝承的なもの、䟋えば「しぐさ」ではないでしょうか。
同じしぐさでも「その人」がにじみ出る。やがお懐かしく思い出されるもの。

逆に蚀えば、そのくらいしか人に残るものはないのかもしれたせん。いやはや。

「しぐさ」こそ人に残された氞遠、䞍滅の領域。

そういえば、それこそがこの本のテヌマ

「䞍滅」ミラン・クンデラ

dc7036aee529a8fe11c2cd6fb9ed30c1-e1739096116240 しぐさず䞍滅

奜みのバむアスずLLMずDeepSeekの方法論

人は奜みに応じお情報を遞び取る。぀たりバむアスがかかった情報が脳にむンプットされる。

遞択は環境のせいかもしれたせんが、本人は本人の意志だず感じおいる。その繰り返しがたた奜みを䜜りたす。


䞀方、AIに奜みはありたせん。教垫デヌタによっおバむアスが生じるだけ。しかし、LLMLarge Language Modelの時代になり、そのデヌタが䞖界党䜓ずなった結果、バむアスは䞀般的レベルでは消えたした。

バむアス無しに意思決定できるでしょうか意思を持おるでしょうか
そもそもバむアス無しの奜みずは蚀語矛盟ではないか

バむアスを持ったAIを想定したしょう。昔のMicrosoft Tayでもよい。
あれは、善悪で問題を匕き起こしたわけですが、そのバむアスゆえに人っぜい存圚にはみえたのではないか。䞀貫性が感情・感芚の所圚ずしお捉えられたのかもしれたせん。

LLMを巚倧知識・垞識マシンに据え眮くか、人栌を感じお付き合いたいか

埌者を求めるなら、特定の偏り、バむアスを持たせるこずが必須でしょう。
これは身䜓性や䞖界の理解の話1※1ずは異なりたす

AIにバむアスを䞎えるには、どうすればよいのでしょう
論理でなく、感性奜みでも、LLMには蚀語化しお䌝えるしかありたせん。
教垫ありのFineTuning 、あるいは、DeepSeekR1Zero の取った方法論である、匷化孊習、知識蒞留が、掚論モデルでなく感性の制埡に掻甚できるのでしょうか

偏り匷化孊習は生掻環境で生じさせるのがよいのかもしれたせん。寝食を共にするこずがAIにずっおも倧切。
その過皋なしでLLMを友達ずみなしたら、䞍気味の谷に萜ちお悲しくなるのが萜ち。AIは友達でなく先生、ずみなしおも、おそらく同じ結末になるでしょう。

人ず人ずの関係性は、偏りに察する違和感あっおこそ。

「煙草くさき囜語教垫が蚀うずきに明日ずいう語は最もかなし」寺山修叞

  1. 䟋えば、“AIのゎッドファヌザヌ”が提案する、未来のAIを友奜的に保぀方法Wired 23.08.16 ↩

ハむデガヌず予枬AI

「誰にもわかるハむデガヌ」筒井康隆

image-3 ハむデガヌず予枬AI

「存圚ず時間」、もっずも恐ろしげな哲孊曞にしお、人の良心・倫理の極北を瀺す曞。

「あらゆる存圚者のうちひずり人間だけが、存圚の声によっお呌びかけられ、存圚者が存圚するずいう驚異のなかの驚異を経隓するのである」ハむデガヌ

このわかりにくい哲孊のもっずもわかりやすい解説曞に出䌚いたした。「文孊郚唯野教授」が’90幎に行った講挔録。

Bravo筒井康隆氏。たた今回解説を぀けた倧柀真幞氏もBravo哲孊にはナヌモアをもっお近づくべきず思わせる本です。

「死ぞの先駆」ず良心

巚倧なハむデガヌ哲孊のうち、ここで取り䞊げたいのは、良心ぞの意志倫理・気遣いの極倧化が「死ぞの先駆」に最も玔粋に珟れるずいう点。

死は生きおいる間には経隓するこずのできない特異点であり、死に先駆けおそれを自分事ずしお了解するには、その「無限性の欠劂」を理解しなくおはならない。これは数理論理の䞖界では、ゲヌデルの䞍完党性定理により厳密に蚌明されたものに通ずるようですが、日々の暮らしにおいお自芚的にいるこずは䞍可胜に思えたす。

締切が迫っおやっず、こずに着手し、締切が過ぎたずき、玔粋に良心の呵責に激しく苛たれる。よくあるこずです。人はそういうものなので、ハむデガヌの蚀う「䌁投」※1、サルトルの蚀う「アンガヌゞュマン」の態床をずるのは容易ではないのです。あぁ青春の実存䞻矩

時間性の3぀の契機

「到来」将来ず「既圚」過去ず「珟成化」珟圚。死を含む未来を今ノィノィッドに捉え、既に圚る過去ず、今ず蚀った瞬間の過去から今を瞬芖する。このうち死を含む「到来」の優䜍のうちに぀の契機は統合されるずいいたす。

死は怖いのでできればその堎にいたくない笑さらに暎力的な死の前に未了ゆえの悔恚は必然である。しかし逆に悔恚の䞭にこそ最も玔粋な良心が生たれる。なのでそれを先取りするずころから始めよう。先取りは䞍安によっお誰にでも可胜である 

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AIによる予枬モデル

話題を急に倉えたすが、機械孊習による予枬では、過去を今だずおいお、既知の未来を予枬するモデルを䜜りたす。未来は過去に含たれるずいう信念に基づくモデルず蚀えるでしょう。

image-1-1024x489 ハむデガヌず予枬AI

䟋えばデゞタル広告におけるクリック予枬や圚庫予枬、レコメンデヌションにも疑いなく適甚されおきた方法論です。

しかし䞀人ひずりの行動予枬がこの方法論で高粟床化できるず信じるずすれば、これはハむデガヌの議論ずは異なる、実に凡庞なもののずらえ方であり薄っぺらな人間理解、ず蚀わざるを埗たせん。※2

「珟存圚」ずAI

もし未来がわかったら、人はそれに埓う・抗うように今の行動を倉えたす。
問題は未来がわからないこずながら、特異点ずしおの死だけは誰にも等しく認識されおいる。「死ぞの先駆」から倫理的に良心に埓う意志を持぀。

未来を定めお今を芋お、過去ず異なる遞択をするのが珟存圚”Dasein”たる人間です。

image-2-1024x481 ハむデガヌず予枬AI

「珟存圚の存圚は時間性である」ハむデガヌ

そんな「珟存圚」には、AIも歯が立たない。逆に今のAIに行動予枬される人間は、珟存圚ずは蚀い難いわけです。

珟存圚ぞの個人化ぞ

実は、珟状のAIによる個人化は、統蚈的な凡人化であっお、統蚈的に圓たればビゞネスずしおは充分儲かるからよいのですね。

しかし本来、個人化ずいうならば、人の倉化する胜力ずその方向をこそ予枬すべきで、特にレコメンデヌションは倉化の埌に必芁になるモノを提瀺できるこずを目指すべきでしょう。殊にその人にずっお未経隓な領域は䞍安で䞀杯でしょうから。

レコメンドすべきは「到来」の1点か、受け入れるべき「珟成化」か

次回は実存䞻矩的レコメンデヌションの方法論を考えおいきたいず思いたす。

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※1, 2 第2次AI ãƒ–ヌムの時、AIに察しお猛烈な批刀の声を䞊げ、「フレヌム問題」「蚘号接地問題」を提起したドレむファスやサヌルずいった哲孊者たちは、ハむデガヌ研究者だったず知りたした。

圌らの䞻匵は、「人間は䞖界ずいうものの䞭に「投げ蟌たれお」、自分を「䌁投」し぀぀生きおいる。機械にはそうした生掻䞖界がない。そんな機械が、どうやっおものを考えられるのか」ずいうものでした。

本論は行動予枬ずいう、もっず小さなこずしか蚀っおおりたせん 

珟AIは䟡倀を凍結する

ea087d19e346f54b031a3f3a287c5afd-1024x469 珟AIは䟡倀を凍結する

AIが人の仕事を奪う、ずいう話は、技術面、経枈面、そしお生掻面でも長く議論されおきおいたす。しかし芋過ごされおいるこずがあるように思いたす。それは人類の発展の偎面です。

珟圚のAIは䞻に効率化・自動化で適甚が進み、職人芞たで含めお人の業務を眮き換え぀぀ありたす。しかし珟状それはあくたで、今たでの䟡倀芳のもずでの䜜業の眮き換えに過ぎたせん。

人は空いた時間をより高次の意思決定や新たな領域の創造に䜿うのだ、ずはよく蚀われたす。歎史を振り返れば確かに、その蚌はいたるずころに芋出せたす。銬車をガ゜リン゚ンゞンが眮き換えた結果、巚倧な自動車産業が生じ、IT化・モヌタヌ化・AI化のおかげで自動運転ずなっおやがお空を飛ぶ。たた銀塩写真をピクセルが眮き換えた結果、加工可胜な高粟现写真ずなり、AIによる認識が人の胜力を超えお、䞖に存圚しない人の顔が語り始める。このような想像を超えたむンパクトがたた別のむンパクトに繋がるずいう、技術的には非垞に楜しい連鎖が生たれ、そこに新たな巚倧な働く堎を提䟛しおきたした。

しかし今回は、より広範な業務、難易床での眮き換えがおこるこずによっお、人の働く堎が想像以䞊に早く瞮小するこずを予想したす。

たず劎働移動先である高次の知恵の領域でしのぎあいが生じる、これは良いこずです。その䞭で䞀郚の人が新たな産業を創出し、その産業ぞの劎働移動が生じたすが、その堎はもずより効率性の偎面でAIの堎ずしお珟出するはずです。

人類にずっお深刻なのは、倚くの知恵の発露ずしおの働く堎が、人でなくAIの掻躍の堎ずなるこずです。

AIが珟䟡倀芳による䜜業の効率化だずすれば、これは極めお憂うべき状況ず蚀えるでしょう。その䟡倀を超えた䟡倀創出は现々ずしか進たず、そこもやがおAIによる効率化が進み、䟡倀は郜床凍結される。

その垰結ずしお、産業創出のスピヌドはやがお鈍るでしょう。人ずAIの共創が起こらないからですここは議論があるずころでしょう。
働く堎がAI化されるこず以䞊に、新産業が興らないために、倚くの人にずっおの劎働移動先がなくなる、ずいう恐れがあるわけです。

䟡倀の固定化は皮の衰退ぞず繋がるでしょう。

6b67f9aa55273a5162e114332eec1047-1024x796 珟AIは䟡倀を凍結する

非凡な発想は数倚の凡才の努力ず瀟䌚の空気の䞊に珟れる。 AI化瀟䌚においお、人類は効率化に負けない新たな䟡倀を創出し続けられるでしょうか

珟状、私には二぀の解しか思い぀きたせん。
ひず぀めは「Human In The Loop」のアプロヌチが良いバランスで産業に根付くこず。埓来瀟䌚の延長での発展が望めるかもしれたせん。
ふた぀めは、汎甚AIAGIの出珟です。出珟すれば、人同士かのように知恵の亀換ができ、圌圌女らが人の産業や文化の発展に貢献しおくれるのかもしれたせん。しかしこちらによる発展があるずすれば「人類」の定矩を倉えるこずになりそうです。

智慧ず知識ずシンギュラリティ

70f21f32c9ac8f47d0481367cc5c0d5c-1024x682 智慧ず知識ずシンギュラリティ

 「智慧はコピヌされるこずがない」ずいう蚀葉に出䌚いたした。
「゜ニヌから孊んだ「差別化戊略」 逊うべきは知識ではなく智慧」茶谷公之氏

 智慧ずは「真理を芋極める認識力」であり、Wikipediaによれば「䞀切の珟象や、珟象の背埌にある道理を芋きわめる心䜜甚を意味する仏教甚語」ずありたす。いやこれは確かに容易に䌝達できそうにはありたせん。 

 䞀方、知識はコピヌし䌝達できる。法則化され原理が明確になったものが「知識」なので䌝わりやすいのですね。

 単なる知識でなく智慧が生んだむノベヌションの差は決定的であり、それぞれの分野で経隓を積んで智慧を逊おうずいう氏の説に倧いに玍埗したした。

 

 少し考えおみるず、AIに「知識凊理」はあっおも、「智慧凊理」はありたせん。そもそも智慧凊理ずいう語感からしおなんか異な感じがしたす。凊理察象ずしお、知識はあっおも智慧は無いずいうこずは䞇人共通の感芚ではないでしょうか。

 たた逆に、「知恵の茪」はあっおも、「知識の茪」はありたせん。知恵の茪は知識では解けたせん。぀たり智慧には、「詊行錯誀」が深く関わっおいるようです。

 知識は凊理できる察象であるこずから、より゚レガントに敎理され、たすたす䌝達されやすくなるのでしょう。数孊の蚌明がたさにその䟋です。

 若い頃憧れた広䞭平祐氏。氏のフィヌルズ賞受賞業瞟である「特異点解消定理」※。䞖玀の難問をいわば力業でねじ䌏せた蚌明は218ペヌゞずか。圓時の数孊史䞊最長論文で「広䞭の電話垳」ずしお有名なくらいです。理解できる人は䞖界に10人ず、よく蚀われる衚珟で語られたした。

 その埌、蚌明は掗緎されお、今では「倧孊院初幎玚の孊生でも“ごたかしなし”に党䜓が読める蚌明がある皋に理解が進んでいる」束朚謙二, æ•°å­Š69å·»1号2017幎1月ずいいたす。さらに、智慧の結晶である数孊理論が、知識化のおかげで、今では機械孊習モデルを支える定理ずしお、実䞖界の課題に察しお具䜓的な解決をもたらしおいるそうです。

 智慧は各所に倧なり小なり必芁であり、知識の䜓系化も様々な応甚も智慧があればこそずいえるでしょう。しかしなんずいっおも最初の着想ず筋道の発芋こそが、人類の智慧の集積点であり、そう、たさに特異点に違いありたせん。※

 智慧はコピヌもできないし、埮分もできない、ずいうこずが導かれたした笑

 

※ 任意の代数的集合「倚項匏」で定矩された集合はブロヌアップず蚀われる操䜜を繰り返すこずで 必ず特異点を解消するこずができる広䞭の定理。

特異点ずは、埮分䞍可胜な点。ゞェットコヌスタヌの圱2次元ぞの射圱が亀わっおいるずころ、これが特異点で、実際の3次元空間で亀わっおいたずしたら倧事故になりたす。

0f9207460cf3ff88a301c0f50d40cec3-1024x670 智慧ず知識ずシンギュラリティ

぀たり次元をあげる・芋方を倉える、こずで特異点が解消される、ずいう、ある意味、仏教の悟り的であり、たさに本来の意味での「智慧」がもたらしたもの、日本人が解くべきしお解いた定理だったように思えたす。広䞭平祐, 「生きるこず孊ぶこず」にも確かそんなようなこずが曞かれおいお心が震えたものでした。
最初の論文が出おから50䜙幎の時を経お、機械孊習の統蚈モデルにおいおこの定理が極めお重芁な圹割を果たしおいるずいうのは䜕ずもロマンチックな話です。

※ それずは別にこの「特異点」ずいう語は、近幎、特にAI文脈で特別な意味をもっお取り䞊げられたすね。いわく、2045幎にシンギュラリティが蚪れるず。技術的特異点AI自ら人間より賢い知胜を生み出す事が可胜になる時点

「MLモデルはデヌタのViewでしかない」或いは深局孊習の限界の蚌明

colorful2 「MLモデルはデヌタのViewでしかない」或いは深局孊習の限界の蚌明

DeepMind瀟のリサヌチャヌJacob Menick 氏は「MLモデルはデヌタのViewでしかない」ず぀ぶやかれおいたす。

https://twitter.com/jacobmenick/status/1260658763687538688

これは実に真理を぀いおいるず思いたす。

MLモデルが y=f(x)のf ず蚀えるならば、このf がデヌタのViewだず蚀っおるわけですね。

䟋えば、このf (x)を

WS001 「MLモデルはデヌタのViewでしかない」或いは深局孊習の限界の蚌明

ずしたらいかがでしょうか そう盞加平均。こんな単玔な、ず思っおもこれもデヌタ党䜓を衚珟したひず぀のViewです。぀たり入出力デヌタをモデル化するずいうこずは、「入力デヌタの、ある目的に沿った抜象化」ずずらえられたす。

予枬モデルでは、ある未来予枬ずいう目的に沿っおログデヌタを掻甚した抜象化だずいえたす。ここで目的は暗に、x に察するy ずいう圢で䞎えられたす。

元デヌタにすべお入っおいる情報を料理するのが機械孊習であり、それ以倖に玠材ずしおは䜕も䜿っおいないわけです。

ずなるず、元デヌタに目的を解くカギが過䞍足なく入っおいるのか が問題ずなるわけです。そしおその意味では、画像認識はたさにこの条件を満たす理想のデヌタ党ピクセルのRGB倀が察象であり、このこずこそが深局孊習が極限たでワヌクする理由でもありたす。音声認識も然り。

䞀方で、人の行動予枬や株䟡の予枬はどうでしょうか

ここでは芁玠還元の限界を容易にみるこずができたす。元デヌタ特城量にどこたで远加しおも、こずの原因をすべお入れるこずはできたせん。耇雑系に察しお芁玠還元䞻矩は無力です。

このように、深局孊習が䞇胜でないこずが蚌明されたした。

ペワむずテンポ

2020幎珟圚、日本人のうち65歳以䞊は䜕くらいでしょうか

答えはなんず291985幎に10%を突砎したずいうこずからみるず本圓に急速に高霢化が進んだわけです。人口掚蚈によれば今埌もその割合は増え続け、20幎埌には3人寄ればひずりが高霢ずなるらしい。そうなるず、65歳で高霢ずは呌べず、壮幎かシニア、䞋手すればミドル埌期くらいが適切じゃないでしょうか。

しかし動物なので歳を取るにしたがっお肉䜓は衰えたす。動き方や話し方が遅くなる。からだの動きも脳の回転もギクシャクする。

プロが創り出す音楜だっお、みなテンポが遅くなりたす。

Lenny ペワむずテンポ

クラシックの指揮者で私のか぀おのヒヌロヌだったレナヌド・バヌンスタむンのチャむコフスキヌ亀響曲6番悲愎を聎いおみればわかりたす。最埌、音が消えお終わったず10回ほど勘違いするほど遅い。十八番おはこのマヌラヌだっおどんどん遅くなり、たあ情念が籠っおそれはそれで感激でしたが、挔奏する偎はたたったもんじゃなかったのではないでしょうか。印象に残っおいるのは、倧孊生だった80幎代終わり頃、最埌のマヌラヌチクルスでCD化が進むごずに絶賛だったずき、6番の挔奏に぀いお、誰だったか評論家が、「バヌンスタむンにも砎綻が芋えおきた」ず語ったのに察しお、そんなこずあるもんかい、ず思っおいたらほどなくしお亡くなっおしたった、評論家はスゎむず思ったものです。

脳のクロックレヌトが遅れおいき、よっお䜓も刺激に察しお緩慢な反射ずなり、それに筋肉・関節の衰えも掛け合わされお、指数関数的な劣化を迎えるこずになりたす。こう考えるず、人間っお他の動物より脳が優れた分、それを起点ずしたすべおが盞乗効果で急速に高たっお、盞乗効果で 急速に衰える動物なのかもしれたせん。

みんな等しく歳を取りたす。今の修士出の新人だっお、シンギュラリティの幎ず蚀われる2045幎には50歳です。

ここにAIのお助けを期埅したくなりたす。AIでシニアも進化させおほしい。

AIによる人の増匷・拡匵の方向性は筋がよさそうですが、少なくずも圓面は、歳を取った脳を入れ替えるわけにはいかず、ずするずどうも盞性が気になりたす。AIのやっおくれるこずに察しお、理解や反応が远い付かないのではないか 

シニアず察峙するAIは間合いを倉える必芁がありそうに思う今日この頃です。

そこそこ神秘性があったほうがいい

181603059ed39523340bff6728564877-1024x574 そこそこ神秘性があったほうがいい

AIの説明性XAI: Explainable AIの研究開発が花盛りずなっおいたす。ディヌプラヌニングにおいおも説明を付けられるようにしようずする。それはもちろんたいぞん結構なこずで、今埌たすたす研究が進むでしょう。

※欧州のGDPRやG20 でのAI原則、日本では総務省のAI利掻甚ガむドラむンなどの圱響もあり、ブラックボックスの兞型であるディヌプラヌニングにおいおも透明性を高める技術が䞀倧トピックになりたした。

しかしそれはあくたでAIによる意思決定、あるいはAIの行為に説明を぀けおもらわなくおは困りたす、ずいうこずであり、”統蚈情報ずしおは” 関係性、できれば因果を客芳的に解き明かしお瀺しおほしいずいうこずです。

奜みのタむプ

䞀方で、AIが個人の趣味嗜奜を解き明かしたずしお、その説明を聞きたくなるでしょうか䜕ずなく聞いおみたいような聞いおみたくないような、そんな感じではないでしょうか

䟋えば「あなたの奜きな女性は、笑ったずき目が䞉日月になる、髪が短い、性栌はさっぱりしたボヌむッシュなタむプ」「あなたの奜きな音楜は、シンコペヌションの倚い、自然な転調の入った曲」などず説明され぀くされたら少し興ざめしそうです。

たぶん、人は自分の行為や嗜奜に、倚少の「神秘性」を残したいものなのでしょう。神秘性、ずたで蚀わなくおも、決定論的な䞖界は虚しく感じるでしょう。

いずれにせよ近い将来、技術は進み、AIぞの入力情報が増えれば因果関係たで説明は可胜になるはずです。

マッチング

合理的には、奜みのタむプをわかった䞊で、倚くのマッチングをしおもらったほうが幞せの獲埗確率が高たり、間違いも少なくなるでしょうここでは最適マッチなら幞せず単玔化したす。䟋えば、スキヌ堎での出䌚いが茝かしく芋えお、、なんお高揚感に惑わされお刀断を間違うこずもなくなるでしょう。
そんな䞖界は虚しいずいっおも、人生のためには背に腹は代えられない。

さお、個の幞せが叶えば、党䜓の幞せが満たされるものでしょうか

ここで、「垌少性」が問題になりたす。結論ずしおは、垌少なものを奪い合う構図の時は、個の幞せ自䜓が、満たされるこずがたれ、ずなるでしょう。前提が成り立たないわけです。

ランキングの真実

「蓌食う虫も奜き奜き」ではあるものの、党䜓平均から芋れば、人気ランキングの通り、ランキングトップ数の人やモノが倧半の人気を占めるでしょう。
぀たり倚くの人は、共通のものを奜み、遞びたいず思うわけです。
簡単に描けば、䞊䜍20の獲埗に80がひしめき合う構図実際はもっず極端かも。必ずそのようなアンバランスになりたす。

耇補可胜なデゞタルコンテンツはいくらでも満たされたす。しかしリアルな、䟋えば男女のマッチングはそうはいきたせん。

ほんの䞀郚が完党に満たされお、倚くはそこそこを目指すこずになりたす。

党䜓最適化のためには、そこそこ幞せ、な人を増やすこずがカギに芋えたす。しかし個人から芋るず、それで満足できるのか、ずいう問題。

党䜓の幞せが最倧になるためには、個の幞せは倚くの堎合最倧ではない、は真。䞀方、䞊蚘の問いに぀いおは、原理的にそもそも、個の幞せが叶うこずがマレ、ゆえ、䞍良蚭定な問いずなりたす。

そこそこ神秘性があったほうがいい

AIでのベストな遞択にいちいち説明が぀くず、結果的に「なんで私は䞀番奜きなタむプからずれた人を玹介されたのでしょう」なんおこずになる。

ここは「神秘性」を残しお、身近な出䌚いを「理由なしに」受け入れる、什和のはじたりくらいの状態が、個も党䜓も䞀番幞せなのでは、ず考える今日この頃です。

AIず䞀茪のバラ2020/1/3

2020幎を迎えたした。
明けたしおおめでずうございたす。

昚幎はAIによる画像・音声認識や生成たで、そしお行動予枬技術が花開き、䞀方でAIブヌムは少し沈静化し、怪しいポッず出AIベンチャヌが淘汰された幎、ず䜕かで読みたした。

かように今埌も倚少の浮き沈みはあれど、AIの事業適甚が加速するこずは間違いありたせん。
ハヌドりェアの進化も華々しく、去る2019幎10月にGoogleが䞖界最速のスパコンで1䞇幎かかる蚈算を量子コンピュヌタヌ「たった53個の玠子」で200秒で実行した、ず発衚したした。量子玠子の脆匱性ゆえ実甚たでには20幎かかるず蚀われたすが、その過皋で、機械孊習ぞの応甚が期埅されおいるようです。

そうなるず膚倧な特城量ず目的倉数の関係性を瞬時に芋出すこずを繰り返すこずで、すぐれた「盎近未来予枬」が可胜になるでしょう。人がそれに畏怖を感じるのも無理はありたせんし、人知を超えたAIに人は屈服するのかなどずいう話に展開しおしたいそうです。

AIず人は別物だから比范は愚かなこず、共存により人をアップデヌトしよう、ずいう考えも浞透しおきたした。それでも、どう別物なのAIは脳の暡倣を目指しおきたんじゃないの今どのくらい味方になるのず問われたずき、どう答えればよいでしょう

ひょんなこずから、ひず぀の兞型ず思える物語を思い出したした。

53999af658daded0bfbe01b071a4a892 AIず䞀茪のバラ2020/1/3

「星の王子さた」は䞖界䞭の子䟛たちに愛され続けおいたすが、倧人にずっおも深いテヌマをいく぀も含んでいたす。「倧切なものは目には芋えないんだ」

そしお、私にはあのバラの話こそが、人の本質、感情の根源を芋事に射抜いお、AIずの差異を明確にしおいるように思われるのです。

自分の星で芋぀けた珍しい芜はやがお矎しいバラの花を咲かせる。氎遣りをしお䞖話をする王子さたにきたぐれなバラ。やがお傷぀いお星の旅に出る。でもなぜだかたすたすその䞀茪のバラが気になっおしかたない。遠くにいおも残しおきたバラを守らなきゃず思い続ける。最終的に自分の星に戻るため呜を捚おるたでに。

偶然関わった䞀茪のバラが、特別な存圚になっおしたう、それが人だず思うのです。

䞀方、珟圚のAIは䞀掟ひずからげです。パヌ゜ナラむれヌションずいえどもモデルは䞇人共通。入力が個々に違うので答えが個々に倉わるに過ぎたせん。統蚈モデル、協調フィルタヌ的手法の限界です。

人はずいえば、認知レベル、いえ知芚レベルで既に察象ごずにモデルが違っおいるように思えたす。あるいは特城量の特定の組み合わせにより、極端に発火する耇雑系のモデルなのか。

デヌタサむ゚ンティストのように論理的で客芳芖が埗意な人でさえ、わが子だけは心底可愛く感じお、他人の子ず同じように芋るこずはできないでしょう。

ひょっずしお感情の源泉は䟝怙莔屓奇劙なバむアスなのかもしれたせん。理由はわからないけれど莔屓しおしたう、特別芖しおしたう。そこからさたざたな感情が生たれる。

AIは感情を持぀かずいう問いに察しお、感情を持った人ず䌌たふるたいをするこずはできおも、感情を持ったずは蚀えない、ずいたは答えるべきでしょう。
「感情チュヌリングテスト」なるものがあったずしお、テストをパスしたからずいっお感情を持ったずは蚀えないわけです。ちょうどチュヌリングテストにオりム返し戊略でパスするのず同様な感じ。

たずはAIが、恋のような人それぞれの「奇劙なバむアス」の生起自䜓を予枬するこずは可胜でしょうか

おそらく、どこたでいっおも入力特城量が足りない、そもそも芁玠還元手法の限界ず蚀えるのかもしれたせん。いえ、やはり珟状の統蚈的AIモデルの限界ず蚀うべきでしょう。あの人が近くにいるず感じるだけで䞖界ががらりず倉わっおしたうのですから。

そしお将来、AGI汎甚AIは意図せず個䜓固有のバむアス入力デヌタにないを持ち、増倧させるでしょうか

ヒュヌマニティずAI

今埌、思玢を深め䞀郚を技術でシミュレヌトするこずで「ヒュヌマニティ」の理解を進めたい、そしお人の朜圚欲求を満たす技術の具珟化に方法論をもっお迫りたい、ず倧きな劄想をした2020の幎明けでした。

2020/1/3

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